主権という誤謬について
ひとつの大陸が、調整のための記録に主権を持つことはできるのか?
「アフリカのデジタル主権」という主張を構造から問い直し、IPアドレスとASNの登録を政治的支配から切り離すために、完全な分散型台帳が必要だと論じる。
陸恒のノート
インターネットの記録を管理する組織に、それを統治する権力を与えたのは誰なのか。このノートでは、身近なたとえからネットワークの新たな設計まで、その問いをたどる。
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代表権、権限、そしてコミュニティの名の下になされる主張。
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ひとつの大陸が、調整のための記録に主権を持つことはできるのか?
「アフリカのデジタル主権」という主張を構造から問い直し、IPアドレスとASNの登録を政治的支配から切り離すために、完全な分散型台帳が必要だと論じる。
分散化に反対する最も説得力のある主張は何で、どこで成り立たなくなるのか?
IPアドレスの市場化と分散化に対する最も有力な反論を示したうえで、信頼や善意に依存する制度の限界を検討し、インセンティブ、権利、冗長性に基づく仕組みを主張する。
権限と協力はどう違い、レジストリが持つのはどちらなのか?
任意の協力に基づく調整と、服従を強制する統治の権限は異なる。RIRの役割と限界を問い、「コミュニティの主権」という主張がインターネットの調整基盤を損なう理由を論じる。
2023年のAPNICの情報開示は何を明らかにし、なぜ段階的な改革では足りないのか?
2023年のAPNIC選挙を前に、私はそのガバナンスに重大な懸念を示した。当時は懸念を退けられ、強い人脈と既得権益を持つ少数の集団から公然と攻撃された。その後の情報開示は、警告が正しかったことを示した。APNICは事実上、一人の個人による法的支配の下にあった。20年にわたり、唯一の所有者・取締役・株主である人物が、民間会社の仕組みを通じてアジア太平洋地域のインターネットに構造的な権力を及ぼしていた。この支配の集中は危険であり、APNICが自ら掲げる役割と根本的に相いれないものだった。
一部の内輪の人間がルールを握っているとき、「コミュニティ所有」とは何を意味するのか?
私はこの文章を、外から論評する立場ではなく、地域インターネットレジストリ(RIR)、とりわけAFRINICのガバナンスの現実に直接関わってきた当事者として書いている。