静寂の色
画面にはほとんど何もない。消えてしまいそうなほど細い水平線が延びている。

画面にはほとんど何もない。消えてしまいそうなほど細い水平線が延びている。その上では、一日の最後の光が大きく広がり、金色が淡い桃色へと溶けていく。その下では、映る色が藍色へと深まる。遠さと静けさの色だ。水面はなめらかで、空と水の境界をぼかし、一つにつながる空間にしている。
目印となるものはなく、ただ色調と温度がある。空はぬくもりを失わずに暗くなり、海は動くことなく光を放つ。写真の中の時が宙にとどまっているように感じられる。まるで時間が色の中に折り畳まれたかのようだ。
これは、休らう光。もはや昼ではなく、まだ夜でもない。静けさだけを宿す一瞬が、なぜかすべてを満たしている。