呼吸する円
水の中にオレンジ色の楕円が開く。絶えず揺れる緑の広がりに浮かぶ、整った形の口。その周りでは水面が震え、光をやわらかな螺旋へと曲げている。

水の中にオレンジ色の楕円が開く。絶えず揺れる緑の広がりに浮かぶ、整った形の口。その周りでは水面が震え、光をやわらかな螺旋へと曲げている。空気を吸い込む音が、聞こえてきそうだ。水面のすぐ下に命があることを知らせる、小さな吸い込みの音が。
その色は、自然だけが生み出したとは思えないほど鮮やかだ。黒を突き抜けて燃えるオレンジ色。池の暗い鏡を破ってほとばしる閃光。波紋は時間のように外へと広がり、端でほどけ、きらめきとぼやけだけを残す。静かだった水は、生きた皮膚となり、引き伸ばされては縮み戻る。
じっと見つめていると、魚は消えていく。残るのは動きだ。輝く円を通して息が吸い込まれ、それに応えるように水が姿を変えていく。これは動物そのものではなく、それが揺り動かすものを見つめた一枚だ。命が空気に触れる、その一瞬の幾何学。