水平線を縁取る窓
この写真は、まず静かな均衡を感じさせる。

この写真は、まず静かな均衡を感じさせる。アーチ形の窓の向こうには、どこまでも穏やかな海が広がり、その柔らかな青は水平線へ向かって深まっていく。模様のある厚手のカーテンは、布に宿る記憶のように光をとどめ、ひだが画面の縁にかすかな影を落としている。この静かな眺めの下では、テーブルが暮らしの気配を帯びてきらめく。果物を盛った鉢、銀色の器に収まるボトル、光を受けるグラス。
空気はゆったりと流れ、せかせかしたところがない。昼の光と海が出会う、音のないリズムに満ちている。ガラス面の映り込みがかすかに移ろい、窓の向こうの穏やかさと響き合う。動きの気配はないのに、写真全体が呼吸している。外では海が待ち、内では部屋が待つ。その間にあるのは光だけだ。
これは静けさを見つめる習作だ。室内の空間がいかに遠方の広がりを映し出すか。そして、水が岸辺に打ち寄せるように、穏やかさがいかに部屋を満たしていくかを捉えている。