沈みゆく太陽の下の波紋
太陽は地平線のすぐ上に浮かび、その照り返しが液体の金属のように広がっている。

太陽は地平線のすぐ上に浮かび、その照り返しが液体の金属のように広がっている。湖は琥珀色に変わり、動きの一つひとつが柔らかな揺らぎを残す。その揺らぎは光を放ち、やがて消えてゆく。水面にはカモたちが点々と散らばっている。黄金の中を滑る影は、急ぐこともなく、重ささえ感じさせない。
この時刻、光と水は互いの境界を忘れる。空の映り込みは湖へと伸び、湖そのものはぬくもりを追って上へと昇ってゆく。岸辺の木々は影に溶け、燃えるような空を背景に、その枝は木炭で描かれた線となる。
ここに劇的な出来事はない。ただ、身を委ねるということだけがある。光は消えるのではなく、静かに抱きとめる水の中へと降りてゆく。カモたちは、ずっと昔からこのリズムを知っていたかのように、その中を進む。名づけるにはあまりにも広大な何かを、ゆっくりと渡ってゆく。この写真が捉えるのは、一日の最後の息づかい。静けさそのものが、ひとつの輝きとなる瞬間だ。