揺らぎつづける鏡の下の模様
水面は絶えず姿を変えるが、錦鯉は急がない。

水面は絶えず姿を変えるが、錦鯉は急がない。その色彩が画面のあちこちに散らばる。灰色に金色、銀色に赤。それぞれの魚が波紋に沿って身をくねらせ、穏やかに、思うままに動く。映り込んだ空や葉が魚たちと混ざり合い、水面は空にも水の深みにも属するものとなる。
光は柔らかい。それでも、向きを変えるひれや、水面からのぞく口といった細部を描き出すだけの明瞭さがある。静止した一枚が、動きを止めることのないものを捉え、映り込みと実体を一つの層に折り重ねている。
しばらく見ていると、目は魚と水を分けて捉えなくなる。風景はただリズムそのものとなり、まるで色自体が生きていて、水面を通して呼吸しているかのようだ。