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ジェンスン・フアンとNVIDIA:GPUが画像処理からAIへ広がった理由

写真の明るさを変える例から、GPUとCPU、CUDAの役割を解説。便利な基盤を使う人に、どんな選択肢が残るのかも考えます。

目次

青い計算ユニットが白い小さなブロックを並列に処理し、結果を一つにまとめる様子。

仕事を分けて同時に進め、結果をまとめる。AIで生成した概念図。

ゲームでは、毎秒何度も新しい画面を描きます。AIモデルでは、膨大な計算を繰り返します。一見違う仕事ですが、一部の処理を細かく分け、同時に進められる点は共通しています。ここを押さえると、NVIDIAがグラフィックスからAIへと用途を広げた理由が見えてきます。

ジェンスン・フアンはどんな人物か

フアンは1993年、クリス・マラコウスキー、カーティス・プリームとNVIDIAを共同創業しました。オレゴン州立大学で電気工学を学び、働きながらスタンフォード大学で学び続け、1992年に修士号を取得しています。スタンフォード大学の人物紹介が、その歩みを伝えています。出発点にあったのは、コンピューターが必要とする仕事を、どのようなチップで実現するかという技術の問いでした。

画像を描くチップで、なぜ別の計算もできるのか

写真のすべての画素を少し明るくするとします。ある画素の処理が終わるまで、別の画素を待たせる必要はありません。いくつもの処理を同時に進める、これが並列処理です。GPU(画像処理装置)は、多くの処理を同時にこなすのが得意です。一方、CPU(中央処理装置)は多様な仕事や、前の結果を待って次へ進む処理に向いています。両者は役割を分担します。

AIにも、大量の数値に対して同じような演算を繰り返す処理があります。GPUは、そのうち並列化に向く部分を速くできます。ただし、GPUを追加すればどんなプログラムも速くなるわけではありません。処理を分けられるか、データの転送が追いつくか、ソフトウェアが活用できるかが重要です。

性能を使える形にしたソフトウェア

NVIDIAは2006年にCUDAを導入し、開発者がGPUを画像以外の計算にも使えるようにしました。設備の充実した工房があっても、使いやすい道具や仕事の進め方がなければ力を発揮できません。プログラミング用のツールやライブラリが、その橋渡しをします。CUDAの入門文書では、CPUとGPUの協調を説明しています。

こう考えると、NVIDIAの発展は、一人の経営者の先見性だけでは語れません。チップ、ソフトウェア、アプリケーションを作る人がつながり、具体的な問題を解けてこそ、技術の可能性は価値になります。

その先にある、選択できるかという問い

便利な基盤を選ぶときにも、確かめたいことがあります。ソフトウェアを別の基盤へ移せるか。道具を替えるにはどれほどの費用がかかるか。変更を受け入れるかどうか、自分で決められるか。企業の評判だけでは答えは出ません。

インターネットの協調について、盧恒はNote 65「動くコードの優先」でこの問いを深めています。参加者が自ら検証できる規則と、自発的に採用する変更を提案しています。基盤は使う人のできることを広げると同時に、その人が選ぶ余地も残しているか。その問いを持って、次の議論へ進めます。