静かな空の下のドーム
柔らかな青空の下に立つドーム。その端正な幾何学的な形が、褐色の丘の曲線と出会う。

写真は、ほとんど無音のうちに目の前に開ける。柔らかな青空が画面いっぱいに広がり、白い雲がこだまのように漂っている。その下では、大地が褐色と影の滑らかな弧を描いて盛り上がり、丘の曲線がドームの端正な幾何学的な形と出会う。主役のドームは淡い色をまとい、確かな意志を感じさせる姿で立っている。それを高く支える鋼鉄の脚は、華奢でありながら頼もしくも見え、尾根のさらに奥には小さなドームが見える。動きも、人の気配もない。ただ、その設計に刻まれた目的のかすかな気配だけがある。
光はむらなく行き渡り、優しささえ感じさせる。朝なのか、午後も遅い時刻なのか、見分けるのは難しい。空気は薄く感じられ、遠景は鮮明で、建造物の輪郭を和らげるのは霞だけだ。その周囲では、大地が穏やかな律動で幾重にも折り重なりながら遠ざかっていく。地形そのものが、長く途切れないひとつの呼吸のように続いている。
構図は単純だが、その単純さの内側に緊張がある。ドームは古くも新しくも感じられる。語るためではなく、耳を澄ますために造られた何かのようだ。丘と空は、世界を等しくふたつの静寂に分けている。一方は重力を帯びて重く、もう一方は空っぽでありながら無限に広がる。そのふたつが重なり、写真に静けさと、ほとんど敬虔ともいえる趣を与えている。これは、音なく見るということをめぐる写真だ。観察という営みそのものに捧げられた記念碑なのである。