海が光に変わるとき

眼下の海がほのかに輝き、揺らめく水面に金色が描かれている。

眼下の海がほのかに輝き、揺らめく水面に金色が描かれている。はるか遠くを一隻の船が音もなく進み、小さな島が影の中で待っている。船と島を隔てる距離は、水平線そのものよりも長く感じられる。対比によって島はいっそう暗く見える。明るさの内側で待つ、ひとつの影だ。この風景をかたちづくっているのは金色。中央では濃く、端へ向かうにつれて冷ややかになり、陽光と霞が出会うところでは銀色と混じり合う。光には重みがあり、長く震える線となって水面を押している。一隻だけの船がその照り返しの広がりを横切り、細い跡を残すが、それもほとんど瞬時に消えてしまう。目の前の眺めは、永遠であると同時に束の間のものにも感じられる。じっと見つめていると、写真が呼吸を始める。静止したままでも光は移ろい、海はささやきで応える。ここには劇的なものは何もない。それでも、すべてが意味を持つ。遠さの静かな脈動、輝きと灰色の釣り合い、太陽が沈むと決める直前のひととき。そこにあるのは、息づいていると感じられる静けさだ。

展示の中で 全363作品の260番目

時間のものさし

雲の切れ間

世界を語る、その前に

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