緑と黄金のあわいの静けさ
初めは、ただ日差しを浴びた葉にしか見えない。やがて、その静けさが語り始める。

初めは、ただ日差しを浴びた葉にしか見えない。やがて、その静けさが語り始める。ピントが捉えるのは細い帯のような色の領域だけで、ほかは柔らかな遠景へと溶けてゆく。黄色が影に寄り添い、枝が曲がるところで光が濃くなる。葉の一枚一枚が、それぞれの濃淡で、身を委ねてゆくさまを見せている。縁は巻き、葉脈は糸のように輝く。周りの空気は、明るさに満たされすぎてじっとしていられないかのように震えている。
色は、時間にはできない仕事をする。黄色が深まるのは熱のためではなく、記憶のため。緑は後味のように残る。背景は光の輪へと溶けてゆく。まるで空気そのものが太陽を思い出しているかのように。ぼけた色の一つひとつは、半ば忘れかけた思いとなり、意味を求めずに視線を休められる場所となる。一方、葉は明瞭に語り続ける。しわを刻み、薄い縁を見せ、そのもろさを内側から照らされながら。
この写真を見つめ続けると、風景は言葉へと変わってゆく。静けさを語り、ありふれた光が触れるものを絶えず書き換えてゆく、そのあり方を語る。葉脈の一本一本は持ちこたえてきた痕跡であり、輝く縁の一つひとつは手放してゆくしるしだ。燃えているものは何もない。それでも、すべてが光を放っている。この瞬間は静止したまま、動きの響きを宿している。それは、葉を一枚ずつ並べ替えながら姿を変えてゆく季節の、静かな息づかいだ。