暗い夜空に咲く赤い花

暗い夜空を背景に、鮮やかな赤い花火が花のように開く。

この写真には、暗い夜空で美しく開く花火が写っている。その色は、真っ赤なリンゴのようだ。花火はすっかり開ききり、今は大きく整った一輪の花に見える。中心から細い光の線が四方八方へ伸びている。それぞれの先端には、小さくきらめく点がある。まるで星が、ほんの1秒だけ花を咲かせようと決めたかのようだ。背後の空はほとんど黒く、雲も月も見えない。この深く暗い空の余白が、赤い花火をいっそう力強く、明るく見せている。花火は画面を大きく占め、見る人の視線をまっすぐに引きつける。エネルギーと生命力に満ちたまま、空中に浮かんでいるように見える。

この写真の撮り方は、自分もその場で空を見上げているような気持ちにさせてくれる。花火の位置は、画面のちょうど中央から少しずれている。そのため、ふと顔を向けたら目に入ったかのような臨場感がある。光の線はまだ広がり続けていて、そのとき鳴ったはずの小さな「ポン」という音まで聞こえてきそうだ。画面の主な色は、力強く鮮やかな赤と、深く静かな黒。赤といっても、一つの色合いだけではない。バラのように深く豊かな赤もあれば、もっと明るく、炎のような赤もある。その混じり合いが花火に奥行きを与え、生きているように見せている。撮影者は、この魔法のような一瞬を見事に捉えた。シンプルな写真だが、見ていると幸せで穏やかな気持ちになる。夜の帳を背景に咲く鮮やかな赤い花。それだけで、一つの祝祭になっている。

展示の中で 全363作品の316番目

時間のものさし

光がほどけるとき

世界を語る、その前に

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