大都会の静かな灯り

手前では一台のランプが温かく迎えるような光を放ち、水の向こうには広大な都市が広がっている。

水面と長い橋、遠くの街並みを見渡す窓の前で、黒いシェードをかぶせた銅色のテーブルランプが灯っている。

これは、一台のランプを写した写真だ。ランプは手前に静かにたたずみ、主役を務めている。背が高く、伝統的な意匠のランプで、支柱は温かみのある銅色をしている。シェードは黒い釣り鐘形。その下から温かく柔らかな光が降り注ぎ、支柱とテーブルの天板を照らしている。まぶしさや、押しつけがましさのない光だ。温かく迎え入れてくれる、自分だけの小さな太陽のように。

このランプの背後には、広大な現代都市が広がっている。街の輪郭を形づくるのは、数多くの高層ビルだ。密集したビル群が、空を背景に起伏のある線を描いている。空は穏やかで落ち着いた青色。その街の手前には、川か湾のような大きな水面が広がっている。水は静かで、空の光を映している。そこに長い橋が架かっている。水上を渡る橋の複雑な構造も見て取れる。構図がとても巧みに練られた写真だ。この物語の主人公はランプである。大都会の全景はその向こうの遠くにあり、ピントが外れて少しぼやけている。それがランプの存在をいっそう際立たせる。まず目を引かれるのはランプだ。大きさと力強さを備えた都市は、遠くからこちらを見守っているように見える。ランプの温かな光があるおかげで、その街もそれほど怖くも冷たくも感じられない。

展示の中で 全363作品の2番目

知っている世界を離れて

近くと遠く

世界を語る、その前に

この写真を展示で見る