穏やかな水面に降りる夕暮れ

言葉の終わるところから、この写真は始まる——太陽、海、遠景に溶けゆくかたち。

穏やかな水面の上に低くかかる太陽。右手には暗い島影があり、下方には小舟と弧を描く航跡が見える。

言葉の終わるところから、この写真は始まる——太陽、海、遠景に溶けゆくかたち。空は重さをすっかり洗い流され、そのぬくもりは上へと溶け、透明になってゆく。その下では、水もまた同じように身をゆだね、さざ波の一つひとつが光をゆっくりと翻訳してゆく。

水平線の下を小舟が漂い、その航跡が色の広がりの中に柔らかな曲線を描く。島々は暗い句読点のように、静かに、揺るぎなく立ち上がる。ここには劇的な出来事も、嵐も、壮大な見せ場もない——あるのは、夜が訪れる前の、寸分の狂いもない静けさだけだ。

画面を一つに結びつけているのは、かたちではなく温度だ。ぬくもりは中心に向かって濃くなり、縁に近づくにつれて薄れ、ほのかな輝きの記憶だけを残す。太陽は消えゆく途上のただ中にあり、被写体であると同時に、その証人でもある。時は動く。けれど写真は、動くことを拒む。それは、消えゆくことの芸術をめぐる習作となる。

展示の中で 全363作品の236番目

時間のものさし

太陽と距離

世界を語る、その前に

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